蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
なんだ。そうだったんだ。
私が何かしたのかもしれないって思ってたけど、そんなの思い違いだ。
私は何も関係なかったんだ。
課長が、恋人のためにしていた事なんだ。
なんだ。……なんだ。
溢れそうになる涙を必死に抑えて、デスクに戻る。
金曜日の夜の事は、きっと私が襲って欲しそうな顔してたから。
今まで構ってきていたのは、もしかしたらマリッジブルーみたいなものだったのかもしれない。
課長との今までの事を、頭の中で理由をつけてひとつずつ片付けていく。
納得いかない事が何一つ残らないように、全部。
でも、課長との増えた思い出は、とてもじゃないけど、今まで閉じ込めていた場所に収まりそうもなくて。
泣き出さないようにぐっと奥歯をかみしめながら、目の前の仕事に集中する事だけを考えた。
泣いちゃダメだ。
泣いちゃダメ。
近づいた分増えた想いが……胸の中で暴れ回って苦しい。