蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
◇恋の病
「飲み会ですか……」
眠れない夜を泣いて過ごして迎えた、金曜日のお昼。
たまたまランチが一緒になった安部先輩が、今日の夜飲み会を開こうと言い出した。
「そう。吉野が全然課長を誘ってくれないでいるからできていない親睦会」
「あ……」
「忘れてたでしょ。そんな事だろうと思ったのよね」
「すみません……」
「もう吉野に頼んでおいても埒が明かないから、あらかじめ日を決めたの。
それが今日の夜」
「でも、急すぎません?」
さすがに当日に飲み会のお誘いなんて、と思って言うと、じろっと睨まれる。
飲み会のセッティングを忘れていた身で何言うんだって事だって分かって、無言の非難に「すみません……」ともう一度謝る。