蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


それに、まだ頭も心も整理されていない今の状態で課長の話なんてしたら、きっと泣いちゃって言葉になんかならないから。
だって、課長がキレイな女の人と縁談がまとまったなんて……とてもじゃないけど言えない。

……言えないよ。

「じゃあ、ここに19時半ね! いい? ちゃんと誘うのよ」
「え……」

課長の事を考えて苦しくなっている間にも話は進んでいたようで、安部先輩はそう言って席を立ってしまった。

ここに19時半って、一体どこに……。
そう思って困惑していると、テーブルの上に一枚のポイントカードが置いてある事に気づいた。

ダイニングカフェ&バーって書いてあるし、どうやらここに19時半って事らしいけど……。
課長をどうやって誘えばいいんだろう……。



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