蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—

避けられてて仕事の話以外聞いてくれない状態なんだから、飲み会の誘いなんてどう考えたって無理だ。
第一、縁談がまとまったなんて話を聞いて平気で話しかけられるほど強い心臓も勇気も私にはない。

だけど、飲み会のセッティングを忘れておきながらまた誘わなかったりしたら、今度こそ先輩に怒られるし……。

八方塞がりの状況に、深いため息をついてうなだれる。

そのまま食堂を出て、エレベーターに乗ろうとして……ボタンを押すのをやめた。

課長に無視された日から、なんとなく上りのエレベーターに乗れなくなった。
エレベーターのドアが開いた時課長がいたら、なんて。
また無視されたら、なんて、そんな不安が襲ってきたから。

本当に打たれ弱くて困る。
でも、今まで逃げ回ってきた自分のせいだって言う事も分かってるから、やるせなさをため息で落として階段に向かった。