蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
◇矛盾する気持ち


悠介と初めて出逢ったのは、大学の図書館。
私が一年生、悠介が三年生の時だった。

悠介は誰とでも仲良くなれるタイプで、常に輪の真ん中にいるような人だった。
整った顔立ちと親しみやすい性格が女子には人気で、でもそれを鼻にかけたりするような人じゃなかったから、男子にも慕われてた。

男女問わず人気のある悠介は大学内では有名で、学年の違う私でも知っていたくらい。

私と同じ学年でも、悠介に片思いしてる子はいたし、私もそのひとりだった。
男の人が苦手な私にとっては、片思いっていうよりは、憧れに近かったんだと思うけど。

悠介と話したいとか仲良くなりたいとか、そんなんじゃなくて。
見ているだけで満足できるような、そんな恋だった。

だけど、一年生の秋。
図書館で思いがけず悠介とぶつかって、その思いはどんどん欲張りに変わっていく事になった。



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