蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
課長の気持ちが分からなくて、これ以上変な期待をしたくなくて逃げたけど。
泣き顔のまま飲み会の席に戻る事もできずに、飲み会が行われてる部屋の前でどうしたらいいのかを考えていた時、中から松浦が出てきた。
そして松浦は私を見るなり、泣き顔だったからか少し驚いて……怒ったようにも見えるほど真面目な顔をした。
「吉野、ちょっと話いいか?」
「……うん」
松浦の真剣な顔に戸惑いながらも頷く。
中からはどんちゃん騒ぎってわけではないけど、飲み会らしい賑やかな笑い声が聞こえてくる。
出会い目的の飲み会じゃないから女子社員ものびのびと飲んでいたし、この様子だとほとんどが二次会に流れていきそうだ。
そんな部屋の中の様子とは対照的に、珍しく静かな松浦に緊張した胸がドクドクと鳴る。
そういえば、さっき飲み会の最中に言っていた真剣な話ってなんだろう。