蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「吉野……? 大丈夫か?」
「やだ……もう、いや……」
「吉……」
「吉野! どうした?」

松浦の声にかぶさるようにして聞こえてきた声に、想いが溢れ出す。

「課長……」

優しくしないで。
ついさっきそう言ったくせに、弱った心は自然と課長を求めていて。

消え入りそうな声で課長の事を繰り返し呼ぶ私を、同じようにしゃがんだ課長が心配そうに見つめる。

欲しいって叫んでももう届かないのに。
私の心はこんなにも課長だけを求めて欲しがる。

こんなにあさましい自分は知りたくなかった。
たったひとり好きになっただけで、こんなにも自分の汚れた感情を見つけてしまうなんて……。



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