蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
好きだとか、好きになって欲しいとか、独り占めしたいとか。
自分から手を伸ばす勇気もないくせに。今更すぎるのに。課長には恋人がいるのに。
課長を欲しがる気持ちは止められなくて、そんな自分にひどい自己嫌悪が襲ってくる。
好きな人が幸せになるなら、嬉しい事のハズなのに。
課長ばかりで埋め尽くされた私の心は、課長を手離したくないと叫び続ける。
最悪だ。
ひどく自分勝手な感情ばかりが渦巻いていて、息苦しい。
それでも。
課長に出会わなければよかったとは思えなくて。
「吉野―――」
課長の胸に抱き寄せられたのを最後に、意識が途切れた。