蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


返事をしたものの、いざ立とうとすると足腰に力が入らなくて。
そんな私に、課長は「座ったままでいいよ」とペットボトルを手渡してくれた。

「ありがとうございます……」

わざわざフタを開けてくれた課長にお礼を言ってから、口をつける。

アルコールでふわふわしているせいで、暑いのか寒いのかよく分からないけど、冷たい水が喉を流れていくのは気持ちよかった。

二口ほど飲んだところで口を離すと、隣から伸びてきた手がペットボトルを取る。
見ると、隣に座った課長が口をつけるところで。

止めようとしたけど遅かった。
間接キスとかを気にしない人だったら私も何とも思わないけど、課長はその辺気にする人だ。

大学で付き合っていた頃、課長は回し飲みできない人だって聞いたことがあったし、実際そうだった。
だけど私の飲み物とかは平気で飲むから、嫌いなんじゃって聞いたら「彼女のは大丈夫に決まってるだろ」って笑われたけど。


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