蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
あの時は彼女だったけど、今は違う。
それなのに普通に私の飲みかけのものを飲まれると、そこに意味があるんじゃないかと期待してしまうからやめて欲しい。
ドキドキしながら見ていると、ペットボトルのキャップをしめた課長が、私の視線に気づいてこちらを向く。
それから「ああ、ごめん」と困り顔で微笑んだ。
「これもセクハラになるか」
「あ、いえ、私は大丈夫ですけど……」
「まだ飲みたいなら新しいの開けるよ。いる?」
そう聞きながら立ち上がろうとする課長の手を、気付いたら咄嗟に掴んでいた。
驚いた課長が私を見下ろす。
「それで、いいです」
見上げる先で、課長が驚いた顔をする。
それから、顔をしかめながら微笑んだ。
「そんな事言われたらまた暴走するけど」