蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「酔った勢いでいいです……。
お互い酔ってたからって事で片付けていいですから。
面倒くさい事、絶対に言わないから……」
課長の瞳に驚きが浮かぶ。
当たり前だ。
酔った部下を介抱していたら迫られたのだから。
私には、課長との恋愛経験がすべてで、誘い方も迫り方も、自分からするキスの仕方さえ分からない。
それでも、課長に触りたいって、触られたいって気持ちが強くて。
課長が、欲しくて。
「課長に、触って欲し――」
言い終わる前に、課長の唇が私の声を塞いだ。
キスしながら抱き締める課長の背中に私も手を回して応える。
「……ふ、ぁっ」
「優花……」
「ん……っ」
キスをしながら呼ばれて目を開けると、熱情に駆られた課長の瞳が映る。
いつものように余裕のある表情じゃなく、男の顔をした課長に身体の奥から溶かされていくみたいに力が抜けていく。