蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「……昨日は、怒鳴ったりしてごめんなさい」
「あ、いや、あれは俺が悪かったから。
なんか、吉野の気持ち全然考えないで突っ走っちゃって……。
後で反省した」
「ううん。私が悪かっ……」
「でも、大人しい吉野があんな風に泣くくらい課長が好きなんだってすげー伝わってきた」
私の言葉を遮った松浦の言葉に、苦しくなって何も言えなくなる。
他人から見てもそう見えてしまう自分に、気持ちの大きさを思い知る。
隠す事なんてできなくなったほど大きく膨らんだ気持ちを。
「課長が好きなんだろ? 今でも」
もう昨日みたいに誤魔化すつもりはなかった。
好きだって言葉にしたら歯止めが利かなくなる気がして怖かったから、今まで言葉にできなかったけど。
本人に伝えてしまった今、もう怖がる事はない。
バレたら課長に迷惑がかかるかもしれないって心配はあるけれど、松浦なら口外したりしないから。