蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
恐る恐る見ると、課長はすでにこちらを見ていて。
目が合うなりパっと逸らすと、なぜか笑われた。
「そんなあからさまに避けられると落ち込む」
「え……あ、すみません……。
でも、緊張しちゃって……」
「昨日はあんなに積極的だったのに?」
「あれは……っ」
「やっぱり、酒に酔った勢いでって事?」
寂しそうに微笑みながら聞かれて……課長の瞳を見つめ返して首を振った。
「いえ。違います」
あんな誘い方したんだから、どう思われても構わないけど。
私の気持ちだけは、そんな風に思われたくなかった。
酔った勢いなんかじゃない。
あれは、私の真剣な想いからとった行動だ。
「だったら、この置手紙はどういう意味?」
課長が見せたのは、私が今朝部屋を出る時に置いてきたものだった。
――ありがとうございました。
――幸せになってください。
そう残したもの。