蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「だって、前の彼女さんがきて、課長をまだ好きだって言ってるの見たから……。
課長も前の彼女さんが忘れられないって言ってたし、だったら私は邪魔だと思って……」
「それで……来なかったのか?」

本気で驚いた様子の課長に聞かれて頷くと、課長は顔をしかめた。

「俺たち付き合ってただろ? なんで優花が邪魔なんだよ」
「だって、課長は、私を断るのが可哀想だから付き合ってくれてるのかと思ってたし……」
「……それ初耳なんだけど、俺、そんな事言った?
いや、確かに、遠距離でダメになったとか寂しいだとかそういう事はグダグダ言ってたかもしれない。
でもそれは、優花を振り向かせるために言ってただけで、未練があったとかじゃない」
「それこそ初耳ですよっ……。
それに、課長、私が告白するまで私を好きな素振りなんて全然見せなかったじゃないですか」
「優花が男苦手だって知ってたから、好意なんて見せて怖がられるのが嫌だったんだよ。
だから、優花から好きになってもらえないかって、カッコ悪いけどそんな事ばっか考えてた」


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