蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「私なんか、なんてよく言うな。
俺が四年間会えない間も想い続けて、再会できた途端、我慢できずに手を出すくらい魅了されてるのに」
「それは……だから、課長が買い被ってるんです」

ドキドキする。
課長にたくさんの告白を受けてるみたいで、緊張して嬉しくてどうにかなりそう。

「とにかく、これで誤解は全部解けたって事でいい?」
「あ、はい……すみません」
「いや、俺が誤解させたのが悪かった。
もっとちゃんと話せば、きっと四年前から今まで離れる事もなかったのに……」

「随分遠回りしたな」と、課長が苦笑いを浮かべる。

それから、私の頬に触れて近づいて……。
途中で止めた。

「さすがに周りの目が気になるから、よかったら部屋に入れてもらえる?」

課長の言葉に、すっかり人通りの増えた路地に気づく。
向かい合って手を取りながら真剣に話をしていた私たちを、たくさんの人が横目でチラチラ見ていて。

逃げ込むように部屋に入ったのは言うまでもない。



< 198 / 225 >

この作品をシェア

pagetop