蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


課長は「だから優花は俺を欲目で見すぎなんだよ」と笑う。
付き合っている以上、欲目って言われても否定はできないけど、欲目だけではないハズだ。

実際に、さっき寄ったイタリアンでもその後のバーでも、何人かの女の人が課長を見ていたし。

「さっきのお店、おいしかったですね。
ご馳走になってしまってすみませんでした」
「少し前に仕事で関わった人に教えてもらったんだ。
俺も初めてだったけど、悪くなかったな」
「え、初めてだったんですか?
なんか行き慣れてそうな感じだったのに……」
「ひとりじゃ行かないし、男同士でもなかなかイタリアンは行かないからなー。
だから今まではどこの店がうまいとか雰囲気がいいとは言われても正直興味もなかったし聞き流した事も多いんだ。
でもこれからはちゃんと情報収集しないとな」
「あ、でも、ちゃんと割り勘にしてくださいね。さっきのお店だって高かったのに悪いです」





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