蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「ごめん。甘やかしてるように思えたかもしれないけど、俺は今優花といられるだけで嬉しいから。
ちょっと浮かれてるんだろうな。
そのうち、もっとこうしたいとか違う場所に行きたいとか、言い出すと思うから今だけだろうけど」
「それならいいんですけど……。
なんか、あまり甘やかされてると罰があたりそうな気がして」
「なんの罰だよ」
「私も……課長と一緒にいられるだけでこれ以上ないくらい嬉しいし幸せなんです。
それなのにその上わがままなんてきいてもらっちゃったら……後が怖いです」
本音だったのに、課長は少し黙ってから、堪えきれなかったみたいにふっと笑みをこぼした。
そして、私の方を見て言う。
「こういうのを世間ではバカップルって言うんだろうな」
「えっ」
「まさか26にもなってバカップルになるとは思わなかったけど。
実際なってみると自覚もなくなってるもんなんだな」
「バカップルですか……」
「今まではそういうカップル見るとわざと見せつけてる気がしてあまりいい気がしなかったんだ。
だから露骨に嫌な顔したりしてたけど、今思うと悪い事したな」