蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
本当は食事の後そのまま帰る予定だったけれど、食事の途中で大学の図書室の話になって、そこから話題が本に移って。
大学の頃、途中まで読みかけた本を、課長と色々あったりもして実はまだ完読できていないって話になった。
その本は、図書室の片付けの時、課長が勧めてくれた本だったから、別れた後はとてもじゃないけど読めなくて。
そうこうしているうちに返却期限になってしまって、そのままになっていた。
だから、やっと完読できるって話をしたら、課長がその本を持っているから貸すよと言ってくれて、お言葉に甘える事にした。
今日は金曜日だから、丁度一週間前、酔って泊まった事になる。
その事は、課長のマンションが見えてきた時から頭にあったけれど、なるべく意識しないようにしてエレベーターに乗った。
あくまでも本を借りにきただけ。
邪魔になる前にすぐ帰ろう。
課長の仕事が忙しいのはよく知っているし、昨日だって帰りが0時近かったらしいって安部先輩から聞いた。
それなのにこうして会う時間を作ってくれたのは嬉しいけど、課長の身体が心配なのが本音だ。