蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


本当なら、食事をした後、少し飲んでいこうって言った課長を止めたかったけど、ストレスも溜まってるだろうしと思って二杯付き合った。
課長は無理しなくていいって言ったけど、課長の選んでくれたカクテルはおいしかったしアルコールも許容範囲内だったからよかった。

これで私がまた酔ったりなんかしたら、課長を休ませたいがためにバーに行ったのに本末転倒だ。

でも、課長も楽しんでお酒を飲んでいるように見えたし、これで今日はきっとゆっくり眠れるハズ。

「上がって。優花が飲めるようなアルコールもあるし、つまみもそれなりにあるから」
「あ、大丈夫です。すぐ帰りますから」

玄関に立ったまま靴を脱がずにそう言うと、課長は少しだけ顔をしかめた。
それから、部屋の中央から玄関まで引き返してくる。

「泊まっていかないの?」
「泊……っ?! あ、はい。
あの、課長昨日も遅かったみたいですし、ゆっくり休んでください」
「部屋まで来ておいて?」
「え、だってそれは課長が本を貸してくれるって言うから……」



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