蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
そんな私に気づいて、優しさから先輩がかけてくれた言葉がある。
多分、私がまた『無理しなくても平気ですから』って同じ事を言いださないようにっていう、先輩の優しさだったんだと思うけど。
何回目かの『大丈夫だから』の後に、先輩が言った。
『それに、吉野とこの空間にいるの好きなんだ』
緊張だけじゃないドキドキが混ざり始めたのは、一緒に過ごすようになって3ヶ月が過ぎた頃だったと思う。
その頃にはだいぶ普通に話せるようになってたし、手が触れたりするハプニングにもそこまでパニックにならずに対応できるようになってた。
11月の図書館はだいぶ冷え込んでいて、藤堂先輩も私も、コートを着ながらの作業になった。
『やっぱり、距離って大事なんかな』
どういう意味か分からなくて見ていると、作業を続けながら先輩が言う。