蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
『付き合ってた子がいたんだけど、一年前引っ越して距離が離れたんだ。
そしたらその3ヵ月後に、距離がツラいって言われて。
吉野もそう? 離れたら不安になるもん?』
『……まだ、その人の事が忘れられないんですか?』
『なんで?』
『だって……半年以上経ってる事を聞いてくるって事は、今からでもどうにかしたいからなのかなって思って……』
先輩は、私をじっと見つめた後に、目を伏せて『どうだろ』って微笑んだ。
その横顔が切なく思えて……。
この時から、私の中には“憧れ”とは違う感情が生まれた。
それを“恋”って認めるには、少し時間がかかったけど。