蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「そっか……。そんな気はしてたんだけど」
「松浦には今までどおりの態度で接してるんでしょ?」
「うん。松浦もそうしてくれてるから、私も気にしないようにはしてる。
……自信はないけど」
「それでいいと思うよ。だって、気持ちに応えられないのは仕方のない事だし、優花は何も気にしなくていいと思う」
「……ありがと」
励ましてくれる知美に笑顔を返すと、「でも、どっかで聞いた話ね」と知美が呟く。
意味が分からなくて黙っていると、知美がビールを一口飲んだ後、説明し始めた。
「一年以上前にね、そんなような話を聞いた事があるのを今思い出したの。
私が聞いたのは男側の話だけどね、短い期間だけど付き合っていた子がいて、でも怖がらせて逃げられちゃったとかで」
「怖がらせて?」
「そう。がっついて関係を急いだとかかしら。
何して怖がらせたのかは知らないけど、すごく後悔してたわ」
「……そうなんだ」
「その人といい優花といい、私の周りには純粋な人が多いのかも。
類友ってやつかしら」