蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
◇閉ざした恋心
図書館の片付けが後少しになった12月。
先生が用事で来れない事を知った藤堂先輩は、図書館の机の上に缶ビールをゴトっと置いた。
『私、まだ未成年で』って言った私に、『今日だけ特別に付き合ってよ』と笑顔を返した先輩。
もう少ししたら片付けも終わって、こんな風には会えなくなる。
それを意識していた私は、最後の思い出作りにと笑顔で頷いた。
こんな風にふたりきりでいられる事なんて、この作業が終わったらきっともうないのが分かっていたから。
先生が寒いからと持ち込んでくれた電気ストーブをつけて、その前に座る。
外はもう日が落ちていて、シンとした空気が少しの緊張を誘った。
『冬って、なんか寂しくない?』
乾杯、と私の持った缶ビールにコツンってあてた先輩が言う。