蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


『それ、なんか俺が暇人みたいだな』
『え、違います! 全然そんな意味じゃなくて……』
『満員電車って、そんなに大変?
俺、高校も自転車だったし今も徒歩圏内だし、電車の経験なくて』
『んー……ひどい時だとカバンに入れたノートだとかが曲がってたりします。
本当にぎゅうぎゅうだし』
『へー。それって、周り男だったりするんだろ?
吉野、男苦手なのに大丈夫?』
『イヤはイヤですけど……でも、仕方ないし。
それに……図書館の片付け作業が終われば、少しは空いてる時間帯に乗れるから……』

自分で言ってて悲しくなった。

このまま毎日満員電車でいいから、先輩と一緒の時間が続けばいいのに。
そう願わずにはいられない私は多分……。

もう、藤堂先輩への気持ちは、憧れって言葉だけじゃ足りなくなってる。
一緒にいればいるほど大きくなる気持ちは私にとって初めての恋で、自分でも戸惑うほどだった。

こんなにも膨らんで……こんなにも苦しいものなんだって。


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