蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


『私じゃ、ダメですか?』

止められなかった。
すぐ目の前まで近づいてる別れを考えたら、我慢できなかった。

見てるだけでよかったのに。
満足できたのに……。

一緒にいる時間を、先輩の笑顔を知っちゃったら……もう、我慢できなかった。
自分でも持て余すほどの、膨らんだ気持ちを。

『先輩が寂しいなら……私が、傍にいたいです……』

ぎゅって、ビールの入った缶を握り締めながら言った。
私にできる、ギリギリで気持ちを伝えた。

びっくりした顔をする先輩を見ていられなくて、思い切り俯く。

ふたりしかいない図書館。暗くなった窓の外。
しん、ってした空気の中、電気ストーブの震えているようなかすかな音が響いている。

緊張だけが私を支配して、ドキドキが最高潮まで達していた時。
先輩が言った。



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