蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「ごめんな、待たせて」
「……いえ。用件はなんですか?」
「んー、まぁそんなに急ぐなよ。
仕事、もう終わったんだろ?」

課長が椅子をクルっと回して私の方を向く。

「水曜日の残業は極力控えるのが社内の決まりですから」
「他の社員も終われそう?」
「はい。先日、課長に言われてましたし、みんな意識してると思います。
それより、用ってなんでしょうか」

私の答えは課長の望みどおりだったハズなのに。
課長は苦笑いを浮かべて私を見ていた。

「あのさ、いつも言ってるけど、その他人行儀やめない?
せめて二人きりの時は普通に話してほしい」
「無理です。私もいつも言ってると思いますけど。
……用がないなら戻らせていただきます」

立ち上がって椅子を机の下に押し込んでも、課長はまだ話を続ける。



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