蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


聞かれて頷くと、松浦がホっとしたみたいな顔になる。

苦手だけど……正直、松浦の事はさほどそうは感じていない。
気さくで話しやすい松浦は、私の中でも一番接しやすい男の人で、友達として好きでもある。

けど、松浦に告白されてからは、少しだけ意識してギクシャクしちゃってるんだけど……。

「こんな場所で聞くのもどうかと思うんだけど」

そう切り出した松浦が私を見る。
真面目な顔を見ると、宣言どおり、食堂には似つかわしくない話みたいだった。

「吉野が男遠ざけてるのって、男が苦手だからってだけ?
それとも、忘れられないって言ってた男が原因?」

「え……」と咄嗟に呟いた後、何も言えなくなった。

私は、課長と会う前から男の人が苦手だったし、課長のせいだなんて事は絶対にない。
けど……。



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