蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「全然大丈夫だよ。
本当にそこまで気を使われなくても大丈夫だから気にしないで」
「なんの話?」

聞いてきた課長に、松浦が「ああ、すみません」と謝った後、説明しだす。

「吉野、男が苦手なんですよ。
で、課長の事じっと見てたから、なんかあったのかと思って」
「見、見てない……っ!」

思わず大きくなった声にびっくりしたのか、3人の視線が集まる。
過剰反応しちゃった事に気付いて、誤魔化そうとしたけど……課長の視線を感じる今、そんな事ができるハズもなくて。

「わ、私、午後の準備もあるし、戻るね」

それだけ言って、慌しく席を立った。

トレーと食器を片付けに指定されている位置に置いてから、足早に食堂を出る。
そして、逃げ込むみたいにエレベーターに乗り込んだ。


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