蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
恥ずかしい……。
ひとりきりのエレベーター。
壁に寄りかかりながら両手で顔を覆った。
課長に見てたってバレたかもしれない……。
私、怒鳴っちゃったし、課長に変に思われたかも。
そんな事を思いながらしゃがみ込んで俯くと、肩まで伸びた髪が横顔を覆った。
ずっと、なんとなく伸ばしていた髪を切ったのは、課長にお別れのメールを送った次の日。
前の彼女さんも長かったから、それがなんとなくイヤだった。
課長は、前の彼女さんと私を重ねて見ていたのかもしれないなんて、バカな事を思ったから。
恋、嫉妬。
課長と別れてから、それまでは知らなかった感情がいっぱい溢れてきた。
それが、苦しくて堪らなくて。
毎日泣いても、涙がずっと止まらなくて。