蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
言葉にするのが怖いほど、私は課長が好きなんだ。
どう誤魔化したって、ムダなくらい。
声に出して形にしたら、怖さも立場も忘れて走り出しちゃいそうなくらい、私は―――。
「……ごめん」
謝ることしかできないでいると、そんな私を見かねて知美が微笑む。
「なんで謝るの?
別に責めてるわけじゃないんだから大丈夫よ」
「うん……」
「とりあえず、早く行かないと。
お邪魔するのに失礼な時間帯になっちゃう」
「あ、うん」
早足になった知美について歩きながら、残っている疑問に気づく。
結局、玄関前までお見舞いに行くのはどっちなんだろう……。
でも今ので私と課長の関係は分かったハズだし、だったら気を利かせて知美が行ってくれるのかもしれない。
そんな風に思っていると、歩く速度を緩めないまま知美が言う。