蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「優花が言うように、本当に課長が優しい人だったら……。
元カノに気持ちが残っているようないい加減な状態で付き合ったりしないと思うけどなぁ」

返事ができずにいると、カツカツと小気味よくヒールを鳴らしながら歩く知美が続ける。

「寂しかったとしても、優花みたいな子は絶対に選ばないんじゃない?」
「どうして?」
「だって、男慣れしていないし、軽い気持ちで手を出すには面倒じゃない。
男の人の寂しいって感情には、少なからず身体が寂しいって事も入ってそうだし」
「……そうなのかな」

経験がないだけに、どういう顔をしていいのかわからなくて困る。

でも、そういう意味で寂しかったのなら、確かに私なんて最もそれを埋める相手に相応しくなかったハズだ。
課長は、私がどんなタイプかを知っていたし、男の人が苦手だって時点で経験がないか、もしくはあっても極めて少ないだろうって予想はできるし……。




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