蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
第一、人気のある課長だったら、大学内に遊べる女の子がたくさんいたハズ。
なのに……どうして私の告白を受け入れてくれたんだろう。
「それに、付き合っていた数ヶ月、えっちはなかったんでしょ?」
「……うん。多分、私が慣れてないの知ってたから気を使ってくれてたんだと思う」
「寂しさを埋めたかっただけなら、わざわざ気を使うような相手は選ばないと思わない?」
「それはそうだけど、課長優しいから、私の告白を断れなかっただけで……」
そこまで言ったところで、知美が片手をあげて私の言葉を止めた。
そして、ふぅっとため息をついて言う。
「いいわ。ここで話していても埒が明かないもの。
とりあえず、今はお見舞い急がないとだしね」
にっこり笑った知美の笑顔が意味深に思えたけど……。
確かに今はそんな話をしている場合でもないから、頷いて課長の部屋までの道を急いだ。