多重人格彼女。
しばらくするとチャイムが鳴った。
「はーい」
「とっ、となりに越してきたものです!
ご挨拶に伺いましたっ」
「はいはーい」
律儀な人だな。
今時挨拶に来てくれる人だなんて。
「あっ、あのっ!」
ドアを開けると
俺より頭2個分ほど小さい女性が
あせあせしながら俺に小さな箱を差し出していた
「は..はじめまして!
となりに越してきた遊佐ですっ
これ、あの、つまらないものですが!
失礼しました!」
ドンと箱を俺に押し付けると
逃げるように部屋に去っていった。
可愛らしい人で内心ガッツポーズだった。
箱の中身は綺麗に飾られたショートケーキだった。