多重人格彼女。

しばらくするとチャイムが鳴った。


「はーい」

「とっ、となりに越してきたものです!
 
 ご挨拶に伺いましたっ」

「はいはーい」



律儀な人だな。

今時挨拶に来てくれる人だなんて。

「あっ、あのっ!」


ドアを開けると

俺より頭2個分ほど小さい女性が

あせあせしながら俺に小さな箱を差し出していた


「は..はじめまして!

 となりに越してきた遊佐ですっ

 これ、あの、つまらないものですが!

 失礼しました!」


ドンと箱を俺に押し付けると

逃げるように部屋に去っていった。



可愛らしい人で内心ガッツポーズだった。

箱の中身は綺麗に飾られたショートケーキだった。

< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop