たった一言の言葉を。
「西条さん、おはよー」
「おはよう」
教室に入ると何人か挨拶をしてくれるクラスメイトたち。
この2-Aは、個性豊かな子が多い。
挨拶を交わして自分の席に着く。
窓の空を見上げれば今日も清々しいくらいの晴天だった。
鞄から本を出し、集中させようとする。
「そーいえば、3年生に転校してきた先輩が居るらしいよ」
「えー、誰!?」
「分からないけど、結構イケメンらしいよ」
「見てみたーい」
「HRはじめるぞー」
予鈴が鳴り担任の先生が入ってくると、生徒たちはそれぞれ自分の席に戻っていく。
あたしも本をしまって先生に耳を傾ける。
「今日は席替えをする」
「先生ー、くじっすか?」
「そうだな。じゃあ席替えをするぞー」
席替え…かぁ。
正直めんどくさい。今のあたしの席は窓側の一番後ろ。
いい席だから、動きたくないなぁ。
「次、西条。」
「…。」
「ぃ…う、西条!!」
「あ…、はい」
「次、お前の番だぞ。どうした具合が悪いのか?」
「いえ、大丈夫です」
ボーっとしてしまったらしい頭を働かせて、くじを引く。
えっと、38番。今と同じ席だった。
先生にくじ番号を渡すと席に着いて、空を眺めてた。雲ひとつない晴天。
空はあたしには、とても眩しすぎる。
肌寒かった春も終わりを告げようとしていた。
「隣、よろしくね」
「え、あ…」
いつの間にか席替えが終わっていたのか隣の席になる彼が、机を動かしあたしに話しかけてきた。教室内を見れば、未だにガタガタと机を動かしている。
「俺は佐倉悠汰。同じクラスになったの今年が初めてだから仕方ないよ」
「ごめんなさい…」
「大丈夫!!」
「えっと…よろしくね」
「うん、よろしく」
ニコッと笑顔が似あう彼、佐倉悠汰は…あたしと入試トップに並び新入生代表を努めた人だ。
あたしは新入生代表なんて苦手だから降りたけど。
これがあたし、西条菜月と佐倉悠汰の出会いだったのかもしれない。
「おはよう」
教室に入ると何人か挨拶をしてくれるクラスメイトたち。
この2-Aは、個性豊かな子が多い。
挨拶を交わして自分の席に着く。
窓の空を見上げれば今日も清々しいくらいの晴天だった。
鞄から本を出し、集中させようとする。
「そーいえば、3年生に転校してきた先輩が居るらしいよ」
「えー、誰!?」
「分からないけど、結構イケメンらしいよ」
「見てみたーい」
「HRはじめるぞー」
予鈴が鳴り担任の先生が入ってくると、生徒たちはそれぞれ自分の席に戻っていく。
あたしも本をしまって先生に耳を傾ける。
「今日は席替えをする」
「先生ー、くじっすか?」
「そうだな。じゃあ席替えをするぞー」
席替え…かぁ。
正直めんどくさい。今のあたしの席は窓側の一番後ろ。
いい席だから、動きたくないなぁ。
「次、西条。」
「…。」
「ぃ…う、西条!!」
「あ…、はい」
「次、お前の番だぞ。どうした具合が悪いのか?」
「いえ、大丈夫です」
ボーっとしてしまったらしい頭を働かせて、くじを引く。
えっと、38番。今と同じ席だった。
先生にくじ番号を渡すと席に着いて、空を眺めてた。雲ひとつない晴天。
空はあたしには、とても眩しすぎる。
肌寒かった春も終わりを告げようとしていた。
「隣、よろしくね」
「え、あ…」
いつの間にか席替えが終わっていたのか隣の席になる彼が、机を動かしあたしに話しかけてきた。教室内を見れば、未だにガタガタと机を動かしている。
「俺は佐倉悠汰。同じクラスになったの今年が初めてだから仕方ないよ」
「ごめんなさい…」
「大丈夫!!」
「えっと…よろしくね」
「うん、よろしく」
ニコッと笑顔が似あう彼、佐倉悠汰は…あたしと入試トップに並び新入生代表を努めた人だ。
あたしは新入生代表なんて苦手だから降りたけど。
これがあたし、西条菜月と佐倉悠汰の出会いだったのかもしれない。