二人の王子と地味な私と

「おは「きゃああああー!!!!」
「はっ！？」
私が教室に入るなり聞こえてきたのは女の子の歓声だった。
そして私に気がついた漣が興奮気味に近づいてくる。
「何？何なの？」
「紗季！あんたにお客さんなのよ！」
「何でそんな声が大きいの!?」
「良いから！」
私は漣に引きずられるように集団に連れて行かれた。
「連れてきました！」
「サンキュー。漣。」
「紗季ちゃん連れてきてくれてありがとう。漣ちゃん。」
「は、はい…！」
「な、何なのよ…！」
私の目の前にはあの二人がいた。この二人が私に何か用だとでも言うのだろうか？
「何ですか？」
「そう、怒んなって。急に来て悪かったよ。」
「話した事も無い人に馴れ馴れしくされたくないんですけど？」
「あ、ごめんね？嫌だった？」
「もう何でも良いですから早く用件を言って下さい。」
私はため息混じりにそう言った。二人は少し困り気味に顔を見合せて、茶髪の男、拓哉くんが私に話しかけてきた。
「今日、昼休みに屋上な？」
「はっ!?」
「約束だよ？僕ら待ってるからね。」
「あ、ちょ!!」
私にそう、にっこり笑って二人は消えてしまったのだった。