二人の王子と地味な私と

「………」
私が屋上へ行くとそこには誰も居なかった。
私は内心ほっとしていた。これで目立つことはない。
「戻ろう…」
私がドアノブに手をかけようとしたとき、
「！？」
ドアが開いた。そして私の前に現れたのは聖夜くんと拓哉くんだった。
「あ、もう来てたんだね？」
「え…まぁ…」
帰ろうとしてました。何て言えない…。
私が何も言わずうつむいていると、拓哉くんがずいっと前に出てきて顔を除いてきた。
私がその行為に驚き目を見開くと、面白そうに笑いながら言った。
「帰ろうとしてたろ？」
「そんなこと…！」
「分かりやすいんだよ。お前www」
な、何ですって!!
私は今すぐ怒鳴り付けようかと思ったのだが、それは聖夜くんが止めてくれた。
「止めなよ。ほら喧嘩しないで…行こう。」
聖夜くんがにこっりと笑う。私はきっと拓哉くんを睨む。拓哉くんは、そんな私を嘲笑うように笑った。
「あそこだよ。」
聖夜くんが指差すのは…
え!?