3月9日
″ジリリリリ…!!″

「うわっ〜?!?」

桐谷の心臓がこれ以上ないぐらいに、はね上がった。

良く見ると、頭の横で目覚まし時計が、けたたましく鳴っている…

桐谷は、はね起きると目覚ましを止めた。

「はぁ…はぁ…はぁ…あのヤロー妙な細工して行きやがって…心臓止まるかと思ったぞ…!!」

そう言って、胸を押さえた。

ドックンドックンと、心臓が激しく波打っている…

「…う…動いてるぞ…私は、まだ生きているのか…?それとも、もう死んでいるのか…?」

迎えの死神が現れる様子は、まだない…

桐谷が呆然としていると、突然、家のチャイムが鳴った。

家の者は出払っていて、誰もいない…

ガチャリとノブを回す音がして「お邪魔します…!」と声が聞こえたかと思うと、階段を上がる気配が近づいて来た。

「ま、まさか迎えの死神か…?玄関から入って来るとは、さっきのヤツと違って、礼儀正しい死神だな…」

そんな事をのんきに呟いていると、部屋の扉が開いた。
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