たとえ愛なんてなかったとしても
そんなことがありながらも、収録がスタートしたわけだけど。



「なあ、キャシー。
俺たちは一体何をやってるんだろうな」



カメラが他のチームを撮っているすきに、キャシーに話しかける。


今回は男女一組のペアが6組で、それぞれの競技を行い、総合点が一番高いチームが優勝といったものだ。


歌の競技、ヘビ掴み競争が終わり。
今は三つ目のいかに正確にたくさんのヒヨコのオスメスを仕分けるかを競う、ヒヨコ仕分け競争中。


歌はまあいいとして、ヘビ掴み競争については思い出すと俺の心が折れそうだからやめておく。

とりあえず女子の皆さんの戦いが壮絶だった、とだけ言っておこう。


壮絶なヘビ掴みの次は、ヒヨコ仕分けって。


企画を考えた人に一体何がどうしてこうなったと小一時間問い詰めたい。



「口を動かしてる暇があるなら、手を動かしてよ。
ペース遅い!私の半分もできてないじゃない」


「はい、すみません......」



ものすごいスピードでヒヨコを仕分けるキャシーに睨まれたので、ピヨピヨ鳴く黄色いヤツを仕分ける作業を再開する。

俺が遅いじゃなくて、キャシーが速いんだよ。

ちょっと仕分け方の説明聞いただけで、普通できないだろ。




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