たとえ愛なんてなかったとしても
「いいよ、どっちみち気まずいし。

何があったか知らないけど、泣いてる女の子にあんな言い方......、いや、ごめん、半分は自分のためだ。

やっぱり、嫌だな......、エリックさんとキャシーが関係もってるの。
しかもマジメに付き合ってるならまだしも......」



「嫌だけど、でもエリックさんは悪くないんです。キャシーも。

ファンも含めたらエリックさんと付き合いたい子は山ほどいるわけだし。
いちいち相手にしてたら、キリもない。
誰を選ぼうが彼の自由だし。

だから、嫌だって言えないし、言っちゃいけない。

でも......でもね、それでも嫌なの......」



エリックさんも悪くないし、本当なら私がキャシーに嫉妬するのだってお門違いだ。


そんなことは分かっていても、そう物分かりのいい人間にもなれなくて。

俊輔さんの気持ちも痛いほど分かる。
私だって自分勝手な嫉妬するほど、彼が好き。



「うん......うん、分かるよ」



まとまりのないことを話し続ける私の言葉に俊輔さんは、ただ相づちを打ってくれた。
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