たとえ愛なんてなかったとしても
「俺の話はどうでもいいんだけど！

俺よりミヒの方が辛いよな。
でもエリックさんもストレスたまってただけかもしれないし、あんまり気にしない方がいいよ。

それに......ほら、エリックさんってツンデレなのかもしれないし」



ツンデレって......、勘違いしないでよね！ってやつだよね？

......絶対違うと思う。
どう前向きに考えてもそうとは思えない。



「もう、いいんです」



何がいいのか分からなかったけど、その言葉しか出てこなかった。


全部エリックさんの言う通りだから。


自分がエリックさんにそう言われるだけの人間にも関わらず、彼をひどい人だと思ってしまう。

彼が誰を選んでも自由だと言ったのに、選んでくれないなら、いっそ壊してしまいたい。

世界中の人間全て不幸になればいいのにと呪ってしまう。


私だけ不幸なんて、許せないでしょう？


頭ではそうしてはいけないことは分かっていても。

いつも私は理性より、感情が勝ってしまう。

結局、自分のことしか考えることができない最低な人間なんだ。

< 188 / 559 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop