たとえ愛なんてなかったとしても
「ミヒ?こんなとこで何してるの?」


投げやりになっていた私の上からふってきたのは、キャシーの声。

なんだ、メンバーだったんだ。



「誰かに見られるとまずいから、とりあえず移動しよ?」



安心したような気の抜けたような気持ちになって、何も答えずにいると英俊に腕を引かれ、距離的に一番近い英俊の部屋に移動する。


食べに行った帰り、私とエリックさんに北京ダックのおみやげを渡しにきてくれたらしい。

それで私がうずくまっていた、と。


炎彬さんはエリックのところに行ってくると言い残し、ここには俊輔さん、キャシー、英俊が残った。



「どうしたの?マネージャーに怒られた?」



少し落ち着いた私に何があったのか聞き出そうとする俊輔さんに、無言で首を横にふった。



「じゃあ......エリックさんと何かあった?」



その質問にも私は何も答えなかった。
何て答えたらいいのか分からなかったから。
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