たとえ愛なんてなかったとしても
「そっか......、普段だったら聞き流せても、今はエリックくんもストレスたまってるだろうし、タイミング悪かったかもね」


「うん.....、はぁ......もう最悪。

元から嫌われてるけど、今回のことでもう取り返しがつかなくなったよね」


「そうかなぁ、逆だと思うけど。
嫌いだったら、そんなに怒るかな?」



逆って......?意味が分からなくて、隣に座る英俊に聞き返す。



「キャラ作りしてるメディアの前では絶対に見せない姿も、僕たちは見ることはできるわけじゃん。

裏側を見せれるって、信頼してるってことじゃない?
少なくとも、世間一般の人よりは。

色々きつく言うのも、メンバーとして、リーダーとして心配してるからだろうし」


「信、頼......」



そんなこと考えたこともなかった。
関わりたくないとまで言われた、間違いなく好かれてはいないだろうけど、でも。


エリックさんは、とても根回しが良くて要領がいい。
不用意に敵を増やすような発言をする人じゃない。


それでも私に対してはっきりと言うのは、改善することを期待してたから?

裏の顔を見せるのは、仕事仲間として、メンバーとしては、信頼されていた......?
< 231 / 559 >

この作品をシェア

pagetop