たとえ愛なんてなかったとしても
「ポジティブに捉えすぎかもしれないし、本人じゃないから分からないけどねー。

真実は分からないけど、プラスに考えるかマイナスに考えるかで、だいぶ変わってくると思わない?

困った時は、まずは明るく考えてみよう?
悪いことばっかり考えてたら、本当に悪い方向にいっちゃうよ」



英俊はニッと笑って、私の唇の端を押して口角を上げさせる。


本当の気持ちなんて本人にしか分からない。
どこにも保証なんてない、嫌われてるかもしれない。


それでもそう言われると、なぜか大丈夫なような気がしてくるから、不思議。


底抜けに明るくて前向きな英俊の笑顔に救われる気がする。



「そうだね、英俊。
面倒なことは嫌いなのに、話聞いてくれてありがと......、少し楽になった」


「うん、面倒事はたしかに関わりたくないけど、友達が泣いてるのに無視できないからねー」


「え、友達......?
友達になってくれるの?
こんな性格の悪い私の、友達に......」
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