たとえ愛なんてなかったとしても
一服が終わった後に、英俊とラジオ局に移動して、台本を読み直しながら、今日のゲストを待つ。


今日のゲストは俺たちの同期のMiracleのメンバーで、俺の苦手な例のあの人か。


Miracleとは事務所も提携しているし、お互いのラジオやライブのゲストとしてよく一緒に仕事をする機会がある。


今日のゲストは日本語も何不自由なく話せるから仕事もスムーズにいくし、すごくいい人だとは思うんだけど......。


人との距離感が近すぎて、逆に付き合いづらいんだよな。



「俊輔! 英俊! 二人とも会いたかったよー。
兄さんがきたよ!」



台本を睨みながら若干憂鬱な気分になっていた俺のテンションとは裏腹に、ニコニコしながら待っていた人が部屋に入ってきた。


兄さんがきたよ、ってどんな登場の仕方だよ。
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