たとえ愛なんてなかったとしても
ミヒと二人で片付け始めて一時間半。

まだまだ細かいところはやれてないけど、見違えるようにきれいになり、洗濯物も全て干し終わった。


人間やればできるもんなんだな。

実家にいたときは母さんがやってくれていたけど、寮で暮らし始めてからは自分でやるしかなく、いつもきれいではなかった。

今が一番きれいな状態だ。


生まれ変わった自分の部屋に感動して写メをとってから、ミヒのお願いを思い出した。



「片付けてくれてありがとうな。
で、お願いって?」



さっきまでの生意気な態度とはうってかわって、急に深刻な表情でテーブルの近くに座った彼女の隣に俺も座る。



「私......この前キャシーにひどいこと言ったのを謝ったんです。
それで、できればこれから仲良くしたいって言ったら、キャシーもいいよって」


「え、本当に?すごいじゃん」



信じられないことではあるけど、嘘を言ってるわけではなさそうだ。


ミヒに謝らせるとは、英俊何言ったんだ?
やっぱりあいつは色々おかしいけど、大したやつだな......。
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