たとえ愛なんてなかったとしても
見損なったと言ったら唇を噛んで、眉毛を八の字にして困ったような悲しんでるような顔したキャシー。

けれど、それは一瞬だけで。



「今さら知ったの?
もともと、私はそんな女よ。
友情よりも、その時楽しければいいの」



すぐにいつもの顔に戻った。
余裕たっぷりで、決して人に付け入る隙を与えない。



「冗談だろ......?」



違う、キャシーはそんな人間じゃない。
いや、そうだと俺が信じたいだけだ。

好きではない人間には冷たいけど、少なくとも一度親しくなった人の心を踏みにじるようなことはしない......。


それとも、俺が知っていると思ったキャシーが間違いで、気まぐれにその時の気分で行動してるだけなのか?
 
ただ自分の欲望に忠実に。
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