たとえ愛なんてなかったとしても
「そう、それを聞いて安心した。
お互いにベストを尽くしましょうね」
ちょうどその時、エレベーターが一階に着いて、ミヒとまた後で仕事でね、と言い合って別れた。
今まで誰かに執着することもなかったし、面倒なことは回避してきた。
相手がいる男は面倒なだけで、わざわざ執着しようと思ったこともない。
自分にこんなにも激しい女の部分があるなんて、今まで知らなかったわ。
私にそれを気づかせてくれたのは、俊輔じゃなくて、きっと。
ミヒ、あなたよ。
ミヒと俊輔が付き合おうと、俊輔が誰と付き合おうと勝手。私が俊輔の気持ちに応えられなかったんだから。
理不尽なのは私。
おかしいのは私。
それは分かっていても、心の中に黒い感情が広がるのを止めることはできなかった。
ミヒも、エリックと私を見て、同じ気持ちだったのかもしれない。
俊輔とミヒが仲良く話す後ろ姿を見て、今度は私が憎しみを燃やす番だと確信した。
先に裏切ったのは、どっち?
そんなことはどうでもいい。
もう誰にも私を止めることはできないんだから。
お互いにベストを尽くしましょうね」
ちょうどその時、エレベーターが一階に着いて、ミヒとまた後で仕事でね、と言い合って別れた。
今まで誰かに執着することもなかったし、面倒なことは回避してきた。
相手がいる男は面倒なだけで、わざわざ執着しようと思ったこともない。
自分にこんなにも激しい女の部分があるなんて、今まで知らなかったわ。
私にそれを気づかせてくれたのは、俊輔じゃなくて、きっと。
ミヒ、あなたよ。
ミヒと俊輔が付き合おうと、俊輔が誰と付き合おうと勝手。私が俊輔の気持ちに応えられなかったんだから。
理不尽なのは私。
おかしいのは私。
それは分かっていても、心の中に黒い感情が広がるのを止めることはできなかった。
ミヒも、エリックと私を見て、同じ気持ちだったのかもしれない。
俊輔とミヒが仲良く話す後ろ姿を見て、今度は私が憎しみを燃やす番だと確信した。
先に裏切ったのは、どっち?
そんなことはどうでもいい。
もう誰にも私を止めることはできないんだから。