たとえ愛なんてなかったとしても
「炎彬さん、キャシーは性格悪くなんてないです。裏表のない性格だから、親友の私を心配して、そのまま伝えてくれたんですよ。ねえ?」



キャシーをかばうミヒ。
以前なら考えられない光景だ。

なんか気味悪いな、絶対おかしい。

確実に違和感を感じるけれど、はっきりとどこがおかしいと指摘することができない。



「ところで、そのCMのギャラはいくらもらえるんだ?」


「あんたってお金のことしか考えてないの?」


居心地の悪い空気を変えようと違う話題を振ったら、キャシーに呆れたような冷ややかな目で見られた。

金の話は誰だって気になるところじゃないか?
まったく失礼な女だ!


それからいつものようにキャシーと言い争っていたら、打ち合わせで抜けていたエリックと、飲み物を買いに行っていた俊輔が戻ってきて。

ようやく三人の空間から解放された。
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