たとえ愛なんてなかったとしても
「それと炎彬。
プライベートのことにまではあまり口出したくないけど、しっかりと自分の立場を自覚して、責任を持って行動してね。

炎彬だけじゃなくて、他のみんなもだけど」


「はぁ......」



タイミングよく帰ってきた俊輔、少し離れたところでストレッチをしていたエリックにまで聞こえるように、マネージャーは少しだけ声をはる。


なんで俺だけ名指し?
責任のとれないような行動をした記憶もないし、スキャンダルもない。


訳が分からずにいると、マネージャーが疲れたような顔で俺たちの顔をそれぞれ見てから練習室を出ていった。



「いちいち言わなくても分かってると思うけど、各自自分の行動には気をつけて。
本当に......頼むよ」 



最後に振り返って、もう一度念を押して。
やっぱり疲れたような様子で。



「なになに?炎彬くん、何かやらかしちゃったの?」



興味津々といった英俊にこっちが聞きたいくらいだと返す。

まったく意味が分からない。
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