たとえ愛なんてなかったとしても
「は?そんなわけないだろ、自信はある」


「え、でも、二番煎じってあんまり良くない意味じゃないですか」


「そんなはずない、本家よりもさらに良いって意味だろ?」



どうも話が噛み合わないと思えば、意味をとらえ違えている。

外国人だし、変に難しい言葉を使おうとするとよくあることだ。

俺も中国活動時はよくある、......母国語の日本語でもあるくらいだし。



「ああ、それ意味間違ってますよ。
そうじゃなくて」


「は?二番煎じって、二回目に入れたお茶のことだよな?」


「確かそうです。
一回目に入れたお茶が一番美味しくて、二回目以降はそうでもないことから、悪い意味で二番煎じって言うんじゃないんですか」


「それはおかしい。
一回目に入れたお茶なんて、飲めたものじゃないだろ」



親切に言葉の間違いを正しただけなのに、なぜか無駄に食い下がってくる。


たしかに中国茶は炎彬さんの言う通り、一回目に入れたお茶は捨てて、二回目から飲むという飲み方をする。

俺も台湾で仕事した時に、スタッフに教えてもらった。


だからまあ、中華的に考えれば、むしろ一番に出た本家本元よりも二番目以降の、二番煎じの方が優れてるってことになるわけだけど。

でもさあ、論点がおかしくないか?
日本の言葉なわけだし。

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